お口の病気の大半は、むし歯と歯周病が占めています
お口の病気の大半を占めるむし歯・歯周病はそれぞれ原因菌が違い、症状も異なりますが、どちらも日々のブラッシングを適切に行い菌を除去することで、病気や症状の悪化が防げます。
ひどくなった場合の治療はそれぞれの症状と程度に最適な治療を行います。
むし歯について
むし歯はどうやってなるの?
歯の病気の中で、一番かかりやすく、かかっている人が多い病気は「むし歯」です。
むし歯は、歯の表面についた歯垢(プラーク)に、むし歯の原因となるミュータンス菌などのむし歯菌が棲みつき、食べ物から出た糖分を餌に酸をつくりだします。その酸が、歯の表面のエナメル質を溶かし、むし歯となっていきます。
ひどい場合は、菌が神経まで達し、歯茎がはれたり、顔がはれたりします。
むし歯には、日常の正しいケアと歯科医院での定期検診が一番の予防法となります。
また歯を失わないためには、早期発見早期治療が、重要となります。
むし歯の治療法と治療後のケア
むし歯になってしまった場合、むし歯部分を削って空いた穴の型をとり、詰め物やむし歯の範囲が大きい場合は、穴にかぶせ物をします。
残念ながら、むし歯になってしまった歯を元に戻すことはできません。
また、一度むし歯になってしまった歯は、むし歯になりやすい状態になります。
二次う蝕(治療済みの歯がまたむし歯になってしまうこと)を防ぐためには、治療後の定期検診や日常のケアによる予防が大切になります。
二次う蝕ってなに・・・?
治療済みの歯がむし歯になることをいいます。
詰め物やかぶせ物と歯の間にできたわずかなすき間に細菌が入り、歯の内側でむし歯が広がってしまうことがあります。特に古くなった詰め物やかぶせ物にできやすく年配の方に多くみられるむし歯です。
詰め物やかぶせ物で、自分の目では二次う蝕に気付きにくい場合があります。歯科医院での定期検診でチェックし、早期発見と予防をおすすめします。
歯周病について
口臭や出血の原因…歯周病
歯周病は、成人の80%もの人がかかっていると言われており、むし歯がない方でも歯周病が進行している場合があります。歯周とは、歯の周りの組織という意味で、歯茎・歯槽骨(顎の骨)・歯根膜(歯根と歯槽骨の間の膜)のことを指します。
歯周病といっても、さまざまな症状がありますが、歯肉炎から歯周炎を、「歯周病」と言います。
歯周病の進行状況
歯肉炎
歯周病の初期段階です。歯周病菌が付着することで、歯茎が赤く腫れたり、歯磨きで出血することがあります。
歯周炎
歯周病菌によって歯周組織が溶かされ、歯茎が後退し、歯が長く見えたり、歯がグラグラしたりします。進行すると歯が抜け落ちることがあります。
歯周病の治療方法
比較的軽い歯周病であれば、歯と歯の周りの歯周組織を清潔に保つ治療をおこなうことで改善することができます。更に進行してしまった歯周病は、外科的処置で治療することができます。
症状が軽い場合…
PMTC
(プロフェッショナル・メカニカル・トゥース・クリーニング)
専用の器具で、歯と歯茎の間に溜まっている歯石を除去することによって、歯周組織を清潔にします。最初は、状態を見ながら、短い間隔で行い、症状が改善されたら、半年に1回など期間を延ばし、予防として定期検診で行います。
症状が重い場合…
GTR法(歯周組織再生誘導法)
歯石や汚染物質を除去後、生体膜を歯肉の下に一定期間置きます。その後、生体膜を取り除くと、新しく再生した組織で覆われており、それが骨や歯肉に置き換わります。